妻とバイクについて

妻の話をします
自己紹介というのに、妻を紹介するのも変な話でしょうか。しかし、ここまで長く連れ添っていると、自分について語るときには必ず妻のエピソードもセットで思い出すようになってくるものです。1日のうち、一番最初に見るのは妻の顔ですし、1日のいちばん最後に見る顔も妻の顔なのですからね。
伴侶とはいえ、成人してから知り合った人間なのですから、そういう意味では「他人」なのですが、他人を自分の一部であるように感じるようになります。自他の境界が揺らぐような、しかも異性の存在がいるなどとは、35年前には想像すらしていませんでした。
小難しい話は抜きにして、私が自己紹介をするときには、妻を抜きにして話すことはかなり厳しいだろうということです。妻は辛抱強く私と長年一緒にいてくれましたから。そして、彼女の理解がなければ、私はハーレーダビッドソンに乗ることはできなかったでしょう。
バイクのことが忘れられなかった日々
私は子どもの頃からバイクに憧れていました。しかし、バイク事故が日常茶飯事だったような時代的に、「バイクは危険だ!」という親の反対は避けられませんでした。原付には乗っていましたが、もっと趣味性の高いバイクが欲しかったのです。
また、バイクを買うだけのお金がなかったり、仕事が忙しかったりで、なかなかバイクに乗る機会はありませんでした。妻と結婚してからは、妻や子どもたちと過ごす時間を確保することを優先することに何の疑問も感じませんでしたし、自分の時間が不当に奪われているなどとは考えられないほど充実した時間を過ごしました。
しかし、それでもバイクに乗りたいという気持ちは消えませんでした。家族と過ごせばバイクへの情熱も覚めるだろうかと思っていたのですが、ますます熱は高まるばかり。公道を走っているバイクを目で追ってしまうこともしばしばでした。
でも、妻には内緒にしていました。彼女も私の親と同様にバイクは危険だと思っているかもしれないし、バイクはお金がかかるし、やや危険を伴う趣味でもあります。私のわがままを嫌がるかもしれないと思っていました。
妻に「ハーレーがほしい」と伝える
しかし、子どもたちが各々の道を進むというタイミングになって、今こそバイクに乗りたいという気持ちが強くなり、伝える決心をしました。
妻にどう言おうか迷いましたが、こっそり免許を取ってハーレーを買ってしまう、という選択肢は絶対にありません。私たちは家計を1にしている夫婦ですから、たとえ私の名義で貯金していても、それは私だけのものではないからです。
勇気を出して、「実はハーレーに乗りたいんだ。大型バイクの免許を取りたい」と正直に話しました。
妻は驚いたようでしたが、「あなたは今まで私たちのために頑張ってくれたから、ぜひ叶えてほしいと思っています」と言ってくれました。バイクに乗ること自体は危険がないかと心配しつつも、応援すると言ってくれました。
妻が私の趣味を理解してくれたことに、とても感謝しています。それから私は、先に語ったように大型バイクの免許を取り、愛車を手に入れることができました。今では週末に時々バイクに乗っています。妻はハーレーに興味を持っているようなので、一緒に乗ろうかと誘うこともありますが、それはまだ怖いみたいですね。でも、いずれ妻と一緒にツーリングに行けたらどんなに楽しいだろうと思っています。